2014/8/19(火)の聖教
1、文明の十字路・イスタンブールで国際平和研究学会が総会 戸田研究所の代表が発表
国際平和研究学会(IPRA)の創立50周年を記念する総会が、トルコのイスタンブールで11日から15日(現地時間)まで開催され、約500人の研究者が平和をめぐる様々な課題を討議した。これには、ヨハン・ガルトゥング博士ら著名な平和学者とともに、戸田記念国際平和研究所のケビン・クレメンツ総合所長が招聘を受け、全体会で講演を。同研究所のオリビエ・ウルバン所長は「芸術と平和」に関する分科会で研究発表を行った。
第1次世界大戦の開戦から100年の節目を迎えた今、多くの市民が犠牲になったヨーロッパをはじめ、各地で追悼の式典や歴史の教訓を胸に刻む催しが行われている。
国連の潘基文事務総長も先月、「殺戮の世紀に終止符を打ち、平和な時代を築く取り組みに立ち返ろう」と呼び掛けたが、今回、第1次世界大戦で戦場にもなったトルコで「平和のための結束――普遍的価値による持続可能な平和の構築」をテーマに開催されたIPRAの総会は、まさにその時代変革の潮流を形づくる英知を結集する場となった。
11日午前に行われた開会式で、IPRAのネスリン・ケナール、イブラヒム・シーガ・ショウの両事務局長が、50年にわたるIPRAの活動の意義を振り返り、世界が直面する多くの深刻な課題に立ち向かうために、平和研究のネットワークをさらに力強いものにしていきたいとあいさつ。
続く全体会では、IPRAの生みの親の一人である平和学者のガルトゥング博士が講演を。各地で激化する紛争に対する深い憂慮の念を示し、憎悪と暴力の渦から抜け出すためには、紛争で苦しむ人々の痛みに寄り添った和解の模索が重要になると述べた。
その後、15日まで、人間の安全保障や軍縮をめぐる全体会の開催とともに、人権、環境、紛争解決など、平和問題に関する多様なテーマをめぐって、それぞれの分科会でセッションが行われた。
このうち、12日の全体会では、戸田平和研究所のクレメンツ総合所長が「暴力の代償と平和の利益」と題して講演。第1次世界大戦から100年を経た現在も、各地の紛争で子どもたちを含む多くの市民が犠牲となっている状況に警鐘を鳴らし、この深刻な危機を打開するためには、「平和と非暴力は単なる一つの選択肢ではなく、何としても確立しなければならない緊急かつ必須のものとなっている」と訴えた。
また、13日の「芸術と平和」の分科会では、ウルバン所長が研究発表を。ハワイの近代史をたどりながら、ハワイの人々が尊厳を取り戻すために音楽が果たした役割について言及。歌に込められた人々の思いを具体的に紹介し、文化の息吹が社会に及ぼす影響について語った。
このほか、戸田平和研究所の新井立志研究員が、「紛争解決と平和構築」の分科会で発表を行い、紛争や対立の膠着状況を打ち破るには、冷戦時代に東西対立の緊張緩和を目指して進められた「ヘルシンキ・プロセス」のような、信頼醸成のための機能的な共存を図る取り組みが重要な意義を持つと強調。
また創価大学平和問題研究所の玉井秀樹所長が、「安全保障と軍縮」の分科会で、「日本における人間の安全保障の課題」について発表を行った。
かつて、IPRAの創立に深く関わった平和学者のエリース・ボールディング博士は、戸田平和研究所の創立者・池田SGI会長との対談集の結びで、こう訴えていた。
「人間は、現在のこの時点だけに生きる存在ではありません。もし自分をそういう存在だと考えるならば、今、起こっている事柄にたちまち打ちのめされてしまいます」
だからこそ、現在を基点に“過去の100年”と“未来の100年”をつなぐ「200年の現在」の視点に立って生きることが大切になる――と。
その意味で今回のIPRAの総会は、「戦争の100年」から「平和の100年」へ、不戦の世紀の建設を期すものとなった。
2、メキシコ テチャルタ・デ・モンテネグロ市 池田大作SGI会長に顕彰状
メキシコ・ハリスコ州のテチャルタ・デ・モンテネグロ市(セルヒオ・ベラスケス・エンリケス市長)から池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に顕彰状が贈られた。
晴れの授与式は7月26日、同市の文化センターで、同16日から11日間にわたって行われた環境展示「希望の種子――持続可能性のビジョンと変革へのステップ」(SGIと地球憲章インタナショナルが企画・制作)の閉幕式の席上、盛大に開かれた。
同市は、同国の首都メキシコシティから約470キロに位置。今回、小中学生を中心に人口の2割にあたる市民が「希望の種子」展を観賞した。
同展に深い感銘を受けたベラスケス市長は、SGIの平和・文化・教育運動をリードするSGI会長への顕彰を決定。市長が署名した顕彰状には「(SGI会長の)世界の平和、持続的な発展、人間の相互理解への功績を讃える」と明記されている。
式典には、市長代理として同市のイスマエル・ロドリゲス・エルナンデス文化局長が出席。「『希望の種子』展は間違いなく、市民に大きな影響を与えました」と感動の面持ちで語った。
ロドリゲス文化局長から、同国SGIのリオス理事長に顕彰状が託されると、万雷の拍手が湧き起こった。
続いてSGI会長が2012年6月に発表した環境提言に関する講演も行われ、SGIの多角的な取り組みの様子が紹介された。
ロドリゲス文化局長は感謝を述べた。
「この展示は、地域開発において何が大切なのかを私たちに問い掛けてくれました。開催に尽力してくださったSGI会長をはじめとする皆さまに、深く感謝申し上げます」
3、わが友に贈る
生命尊厳の大哲学を
一人また一人と
語り広げよう!
それが真実の
平和を築く王道だ。
4、名字の言 子どもは皆、〝実感の巨匠〟なのかもしれない。周りの世界、そして目に映る大人の〝真の姿〟を、実に的確に捉えているものだ。
昨年の今ごろ、ある未来っ子はワクワクしながら画用紙に向かった。「少年少女希望絵画展」への応募作品。題材は決まっていた。叔母に赤ちゃんが生まれたのだ▼数日後、完成した絵を、集まった親族の前で広げた。一同の感嘆の声……と同時に爆笑が起こった。感じたままを描いた、赤ちゃんを抱く笑顔の叔母。その目の下に、濃い茶色で、出産という大仕事を終えた証しの「くま」が描き込まれていた▼フランスの巨匠セザンヌの絵について、「腕のいいアニメーターにとっては許し難いと思えることがすべて出揃っている」と、映画監督の高畑勲氏は語っている。遠近法の狂い、建物や人物のゆがみ、塗り残し。それでも「驚くべき『実感』がひしひしと伝わってくることに感嘆せざるをえない」と(『一枚の絵から 海外編』岩波書店)▼子どもは皆、“実感の巨匠”なのかもしれない。周りの世界、そして目に映る大人の“真の姿”を、実に的確に捉えているものだ。親子の接触が多くなる夏休み。親や周囲の大人がどんな行動をしているか、子どもはじっと見ている▼現代中国画の大家・方召りん画伯は、「今日の絵は今日だけの試み、明日はまた新しい試みであるべきです」と。子どもと共に、大人も毎日、成長の夏を。(洋)
5、寸鉄
★ 明年、被爆70年。次世代の継承が最重要の課題。魂伝える青年の使命深く
◇
★ 心は工なる画師の如し―仏典。大理想を抱け。全ての変革は「心の革命」から
◇
★ 景気回復見込みで学生の採用活発と。就職活動の友よ執念と強気で勝て!
◇
★ 20代の4割が農漁村への定住願望「ある」と。仕事創出など政治が後押しを
◇
★ 臨時福祉給付金を装った詐欺に注意!「ATMに行って」は全てうそと銘記
6、小説『新・人間革命』第27巻第4章 求道56
菅山勝司は、牛舎に次いで、サイロ、二階建てのブロック造りの住居を完成させた。
農機具も中古を購入し、自分で修理をしながら使った。飼料も自給に努め、牧草を研究し、栄養価の高い草を育てた。
見事な黒字経営となった。人びとの奇異の目は、感嘆と敬意の目へと変わった。
開墾も進め、六十ヘクタールの牧草地をもつようになり、当初、数頭にすぎなかった牛が、搾乳牛五十頭、育成牛二十頭にまでになった。牛乳の衛生管理にも努力を重ね、優秀賞も受けるにいたったのである。
別海の北海道研修道場で、山本伸一は、菅山に尋ねた。
「地域が広いから、活動も大変でしょう」
「走行距離は計算していませんが、オートバイ六台、車は五台を、乗りつぶしました。別海の幹部は、皆、そのぐらい走っていると思います。メンバーと会うためでしたら、零下二○度ぐらいは、なんでもありません」
活動の帰りに吹雪になり、土管の中で一夜を過ごした人や、部員宅を訪問し、吹雪のために三日も帰れなかった人もいるという。
別海での活動は、大自然との闘いなのだ。
「私は、『人間革命の歌』の『吹雪に胸はり いざや征け』の一節が、大好きなんです」
菅山は、こう言って微笑んだ。
「まさに、その通りの実践だね」
それから伸一は、同行の幹部に語った。
「誰が広宣流布を進めてきたのか。誰が学会を支えてきたのか――彼らだよ。健気で、一途で、清らかな、菅山君たちのような“無名無冠の王者”であり、“庶民の女王”だ。
ある人は貧しく、ある人は病身で、辛く、厳しい環境のなかで、時に悔し涙を流し、時に慟哭しながら、御本尊を抱き締め、私と共に広宣流布に立ち上がってくださった。自ら宿命の猛吹雪に敢然と挑みながら、友を励まし、弘教を重ねてこられた。その方々が、広宣流布の主役です。末法出現の地涌の菩薩です。学会の最高の宝なんです」
7、この一節を胸に行学に励む テーマ 広宣流布の大願
〽誓いの青年よ 出発は今 広布の大願 いざや果たさん・・・。新学会歌「誓いの青年よ」を歌いながら前進する創価の友。今回は、日蓮大聖人から創価学会へと受け継がれている「広宣流布の大願」について学びます。
全ての人を仏の境涯に 大聖人の御遺命を実践
Q 広布といってもなかなか実感がわきません。
A 御書を根本とした、日々の学会活動そのものが広布の尊い歩みです。
御文 日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし(諸法実相抄 1360㌻)
日蓮大聖人は、ご自身の妙法弘通の実践についてこう仰せです。
「はじめは日蓮一人が南無妙法蓮華経と唱えましたが、二人・三人・百人と次第に唱え伝えてきたのです。未来もまたそうでしょう」(諸法実相抄 1360㌻、通解)
「本物の一人」が立ち上がり、地道な挑戦を積み重ねるなかで一人また一人へと正法を弘めていく――。広宣流布の方程式はいつの時代も変わりません。
学会の歴史を振り返ってみても、一対一の対話によって民衆の連帯が拡大し、今や創価のネットワークは世界192カ国・地域にまで広がっています。
池田名誉会長は、広宣流布について「この万年に続く『世界の平和』と『人類の幸福』への大遠征も、地道な一歩、執念の一歩を積み重ねていく以外にない」「同志への励ましの“ひと声”であり、友人との真心こもる対話の“ひと声”である。自らの勇気の関わりから、次の一人また一人へと、立ち上がる生命のスイッチが入る。まず一人立つ。そこから全ては始まるのだ。これが『人間革命』即『広宣流布』の鉄則である」と綴っています。
仏法対話をはじめ、御書を根本とした日々の学会活動が、広宣流布への尊い歩みなのです。
Q 創価学会の目的は、広宣流布であると教わりました。
A 万人の幸福と世界の平和こそ、日蓮大聖人の願いです。
御文 大願とは法華弘通なり(御義口伝 736㌻)
最高の経典である法華経の、薬王菩薩本事品第23には、「広宣流布」について次のように説かれています。
「私(釈迦)が入滅した後、末法において、全世界に正法を広宣流布して、断絶させてはならない」(法華経601㌻、通解)
広宣流布の「広宣」とは“広く宣べる”こと、「流布」とは“広く世に行きわたる”ことを意味します。
“正法を弘めて、万人を仏の境涯に導き、平和と安穏の社会を築いていく”――。法華経に予言された「広宣流布」は、仏の何よりの願いです。
釈尊滅後の末法において、広宣流布の実現のために立ち上がられたのが、日蓮大聖人です。
具体的には、末法において万人の成仏を実現する正法、すなわち南無妙法蓮華経の仏法を確立し、弘めることで、万年にわたる全人類救済の道を開かれました。
大聖人は、妙法の広宣流布について「大願とは、法華弘通のことです」(736㌻、通解)と断言されています。
法華経に示され、日蓮大聖人の願いである「広宣流布」こそ、創価学会の目的なのです。
Q 今まさに悩みの真っただ中にいるのですが・・・。
A 広布に生き抜いていけば、必ず境涯を開くことができます。
御文 法華経を信ずる人は・さいわいを万里の外よりあつむべし(十字御書 1492㌻)
人生の途上には、さまざまな困難や苦悩がありますが、いかなる課題をも前進のエネルギーに変えていけるのが、私たちの信心の醍醐味なのです。
御書を繙くと、日蓮大聖人が、多くの門下に対して、妙法を信じて広布に生き抜けば必ず境涯を開いていけると教えられていることが分かります。
「法華経を信ずる人は幸を万里の外から集めるでしょう」(1492㌻、通解)
「(妙法蓮華経が己心の法であるという)この趣旨を深く信じて妙法蓮華経と唱えれば、一生成仏は全く疑いないのです」(384㌻、通解)
池田名誉会長は、次のように述べています。
「『広宣流布の大願』と『仏界の生命』とは一体です。だからこそ――この誓いに生き抜く時、人は最も尊く、最も強く、最も大きくなれる。この誓いを貫く時、仏の勇気、仏の智慧、仏の慈悲が限りなく湧き出でてくる。この誓いに徹し切る時、どんな悩みも変毒為薬し、宿命をも使命へと転じていける。これが、創価の最極の同志であります。これが、学会の無敵の陣列であります」
広布の大願に生き抜くことこそ、あらゆる悩みを変毒為薬するための要諦なのです。
【智慧の扉】 勤行の御祈念文
私たちは、朝晩の勤行の御祈念文の「広宣流布祈念」において、広宣流布の大願成就と、創価学会の万代の興隆を御祈念しています。
現代において、広宣流布を具体的に進めている団体は、創価学会をおいてほかにありません。ゆえに学会の興隆を御祈念します。
また、牧口常三郎初代会長、戸田城聖第2代会長、池田大作名誉会長(第3代会長)の、全生命をかけた広布の実践があったれ場こそ、今日の世界広布の基盤は確立しました。ですから、創価三代の会長を広宣流布の指導者として仰ぎ、その指導を実践していくことを誓うことが、広宣流布の誓いになります。
8、池田名誉会長が贈る 勝利の人間学 第58回 新入会の友よ 朗らかに!(2014.8.20付 創価新報)
焦らずに粘り強く
新入会の皆さんは、不思議にも、今この時に躍り出てきた地涌の菩薩である。どれほど深遠な宿縁と、偉大な使命を帯びた方々か。
67年前、私も新入会の一青年であった。戸惑うこともあった。家族の反対もあった。
しかし、戸田城聖先生の「青年らしく勉強し、実践してごらん」との言葉を信じて、勤行も、教学も、折伏も、一つ一つ先輩に教えてもらいながら挑戦していった。
その体験から、皆さんに申し上げたいことは、ともかく「焦らないで」「粘り強く」ということである。
すぐに祈りが叶う場合もあれば、すぐには叶わない場合もある。しかし「冥益」といって、時が経てば経つほど、すべて良い方向に進んできたことが、必ず実感できるものだ。
ゆえに、御書の通り、何があっても題目を忘れず、学会と共に前進していただきたい。
希望に燃えて、人生に勝つための信心である。自分自身が勝利者となり、一家眷属も幸福に栄えさせていくための仏法である。
新入会の皆さんが、自分に勝ち、社会で勝ち、人生を勝ち切って、「信心してよかった」と思えるよう、私も毎日、祈っている。
善き友、善き同志と共に
御書に「たすくる者強ければたうれず」(1468㌻)と仰せの通り、信心を続けていく上で大切なのは、同志とのつながりである。
分からないことがあれば、何でも率直に、周囲の同志や先輩に聞いていただきたい。
また、忙しくて、なかなか会合に出られない時や、思うように題目があげられない時こそ、気後れしたり、遠慮したりしないで、同志と連絡を取り合っていくことである。
少しでもつながっていこう! その心をもって、同志という善縁にふれていくなかで、生命力が増す。ここに、何ものにも負けずに、成長と向上の青春を謳歌しゆく道がある。
新入会の友のニューパワーで、広宣流布、すなわち世界の平和と人類の幸福へ、朗らかにニューウェーブを起こしてくれ給え!
【社会の情勢】
◆ 健康産業育成へ新基金 経産省、地域活性化策まとめ
◆ 訓練と仕事の両立難しく、充足率は7割 予備自衛官
◆ 超富裕層 税逃れ監視 国税局に専従チーム発足
◆ 食器洗い乾燥機 6年で火災53件 長期使用は点検徹底を
◆ モスクワから物資搬入 ウクライナ人道支援 4か国合意